憲法刻一刻

2007/12/27

民主党急遽「対案」を提出。政府もISAF参加合憲論へ見解準備

 年末になって厭なニュースが飛び込んできた。
民主党が21日に急遽テロ特措法への対案を参議院に提出した。社民党の又市幹事長(当時)は「対案は反対だけでいい」と強く反発したと報道されたが、その内容は危惧されたものである。

 第1に、報道で見る限りでは、ISAFへの自衛隊の参加は、一時小沢代表の意向で「復活」したとされた「国連決議」すら前提にはなっていない。アフガン本土で「1年間に限る」派遣の容認である。いかにISAFの本体ではなく「後方支援」といっても、海上での給油よりはるかに違憲の行動である。

 第2に、元の民主党案(要綱)では、派遣先は「停戦合意が成立してるか、民間人への被害が生じない地域」とし、「か」の一文字で戦闘地域への派遣の道を開いていた。しかし「対案」では「停戦合意」を「抗争停止合意」に代えてしまい、「停戦合意」自体が完全に前提からはずされた。

 第3に、武器使用基準の緩和など、従来の政府見解を大きく踏み出し、自衛隊海外派遣恒久法(「国連憲章代7章の集団的安全保障措置に関する基本原則を定める」ことまでを含む)の早期制定など「要綱」の最大の問題点はそのまま生かされている。

 第4に、海上での交戦に直結する、インド洋での「海上阻止活動」のために必要な法整備の検討も付け加わった。

 自民党が泣いて喜びそうな内容である。実際「読売」(12月22日)によれば、政府は従来の答弁を変更し内閣法制局見解を変えさせ、ISAF本体への自衛隊参加も可能との見解をまとめたという。その理由付けは民主党とは異なっているが、派遣地域・対象と武器使用について従来の制約を突破する点で変わりはない。

 危惧したとおりの事態が着々と進んでいる。いったん遠のいたと見えた改憲の危機は、どうも新たな様相で急展開するのではないか。08年は、心構えを新たにしなければならない。

(9条ネット事務局・I.Y.)

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